映画ドラえもん。
シンプルに面白いですよね。
ではTV版と映画版の違い、
皆さん分かります?
それは矛盾する『恐怖』と『感動』が
映画版には入ってるから。
しかし矛盾するだけにクッションが必要です。
それを果たしているのが、
『友情』または『自己犠牲』になります。
描かれ方の流れとしては、
多少の違いはあるものの大抵のドラ映画では
恐怖→自己犠牲 or 友情(もしくは両方)→感動
という流れで描かれています。
この流れが絶妙に描かれている2作品があります。
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・「のび太と雲の王国」
1、のび太たちの地上世界が天上人によって
洪水で洗い流されるというトラウマ恐怖シーンが描かれる。→恐怖
2、ドラえもんはパルパル達、天上人を守る為に
自らの命をかけてタンクに突っ込み天上世界を救う→自己犠牲
3、パルパルや過去にのび太たちに救われたキャラ達が登場し、
地上人にも優しい人達はいると熱弁→友情
4、キー坊が現れてドラえもんを治療し、ドラえもん復活。
さらに天上人達が満場一致で
地上人をもうすこし見守ろうという決断にいたる→感動
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・「のび太と鉄人兵団」
1、無数のロボット軍が攻めてくる、絶対にのび太達が適わない、
という描写→恐怖
2、人間の優しさを知りながら、でもロボット側も
裏切ることの出来ないリルルが下した決断。
これによりロボット軍は消滅→自己犠牲
3、消えていくリルルと手を取りあう静香。
やがてリルルが消えて静香が泣き崩れる→友情と感動
4、1人居残りしているのび太の前に
天使になったリルルが現れる→感動
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皆さんもぜひ参考にしてください。
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■加筆・補足
なぜにドラえもんで
恐怖を表現してしまうのか?
それは恐怖には
人を惹きつける力があるからです。
映画『レッド・ドラゴン』による
レクター博士の言葉。
「想像力が無ければ
君も僕も 世間のマヌケたちと同じ。
想像力を手に入れる対価は恐怖だ。
恐怖は人を離れさせもするが
惹きつけもする」
そう優しいドラえもんで
シリアスな恐怖をやるがゆえに
ミステリアスな気持ちになって
映画版を観たくなってしまうんですね。
ドラえもん のび太のパラレル西遊記でも
家族が魔物になってしまう後に
エンディングで人間に戻ったお母さんに
のび太が涙を流して抱きつくところを観て
「ほっ、良かった…」
と安心するんですね。
その『安心感』を際立たせるにも
逆の『恐怖心』が必要なのです。
さあ、皆さんも
恐怖心を克服するところを
作品で表現してみてください。
それでは、また(^_^)/
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