『あまちゃん』と『半沢直樹』。
テーマや舞台がぜんぜん違いますね。
どちらもヒットしましたが、
実は意外な共通点があるんです。
その法則を8つ紹介。
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【ヒットの法則1 主人公の強烈なイメージ】
半沢直樹のイメージは“強さ”。
それを強調するために、劇中の大半が険しい顔になり、
何度も真正面から顔のアップを撮っています。
また、ごくたまに家で妻に見せる
穏やかな顔はアクセントとなっています。
一方、天野アキのイメージは、“明るさ”。
それを強調するために、劇中の大半が笑顔であり、
さまざまなアングルから顔のアップが撮られています。
また、ごくたまに見せる不安げな表情がアクセントです。
【ヒットの法則2 飽きさせない2部構成】
『半沢直樹』は大阪西支店編と東京本社編、
『あまちゃん』は北三陸編と東京編。
それぞれ2部構成にすることで、舞台設定や登場人物たちを入れ替え、
口直しの効果を生んでいます。
この背景には、
「近年増えた1話完結ドラマでは物足りないのだが、
1テーマで全てを描こうとすると間延びしてしまう」
というジレンマを解消するためです。
【ヒットの法則3 徹底して“引き算”した演出】
どの放送局も視聴率の安定を狙って、
「三角関係などの恋愛、複数のトラウマ、
アイドル出演、物語に関係のない挿入歌」
などさまざまな要素を足したがるのだが、
両作品はその逆。
『半沢直樹』は、「勧善懲悪」をメインテーマに据えて、
シリアスなシーンに注力。
『あまちゃん』は、「人と地域の再生」をメインテーマに据えて、
明るさと笑いに注力した。
【ヒットの法則4 理想の夫婦や親子像】
性別年代を問わず支持されたことと、
家族そろって見られた理由は、
「ドラマの中に理想の夫婦関係や親子関係があった」から。
『半沢直樹』は、夫に「常に優しく、時に厳しく、時に甘える」妻を描き、
その他の妻も銀行員の夫を支える良妻賢母だった。
一方、『あまちゃん』は、アキの母・春子が実質的な夫役。
口が悪くマイペースな春子を支える夫・正宗が実質的な良妻賢母で、
いまどきのバランスが取れた夫婦だった。
【ヒットの法則5 現代問題への辛辣なアンチテーゼ】
両作品とも現代の諸問題を真っ向から扱い、
主人公に立ち向かわせることで、アンチテーゼを提示していた。
『半沢直樹』は、企業コンプライアンス、理不尽な人事、
上司のパワハラに、半沢が徹底抗戦。
一方、『あまちゃん』は、田舎軽視の風潮、現代アイドル、
被災地や被災者への接し方に、
アキが「それがどうした?」という自然体で対応。
いずれも
「ここがこうだから悪い」
「だからこうあるべきだ」
などの説教くさい方法ではなく、半沢は悪を倒すだけ、
アキは気にしないというだけの方法だった。
【ヒットの法則6 舞台系脇役たちの瞬間芸】
両作品ともかつてないほど脇役が充実していた。
ともに舞台出身の俳優がズラリ。
顔を中心にした『濃い演技』で視聴者の心をガッチリ。
もともと脇役は、短い出演時間で
自分の存在意義を印象づけなければいけないため、
ここまでキャラが心に刻み込まれるのは極めて異例。
両作品とも、
「名前やセリフ、表情や仕草まで覚えている」
脇役が多いのは、ミュージカル大作から小劇場まで、
さまざまな板の上で鍛えられた舞台役者ならではの
“瞬間芸”によるものだろう。
【ヒットの法則7 決めゼリフ連発と進化】
『半沢直樹』の「倍返しだ」と、『あまちゃん』の「じぇ」は、
流行語大賞間違いなし。
その分かりやすさに加え、劇中で「10倍返しだ」「100倍返しだ」、
「じぇじぇ」「じぇじぇじぇ」と進化を遂げるなど、
過去の流行語にはない汎用度が高いのも魅力の1つ。
【ヒットの法則8 固定ファンの多い枠】
TBSの日曜劇場もNHKの朝ドラも約50年の歴史があります。
日本の放送業界で最も長い歴史を持つドラマ枠。
長年、放送を楽しんできた中高年層の固定ファンが多く、
日曜21時は在宅率が高い時間帯であり、
朝ドラは1日に複数回放送されることで、その人気を保ち続けてきた。
今回の2作はそんなベースの上に、10・20代の若年層や、
多忙なサラリーマンなど新たなファン層にまで拡大したことが、
記録的なヒットにつながった。
最後に、ラストシーンに含みを持たせたのも小さな共通点の1つ。
『半沢直樹』は大活躍から一転、
出向の辞令を受けた衝撃のシーンで終わり、
『あまちゃん』はアキのミサンガが1本切れずに残り、
トンネルの向こう側に歩くことで、その先の物語を予感させた。
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■加筆・補足
ヒットの法則をドラクエⅢよりご紹介。
ドラクエは探偵物語なんです。
『さいごの鍵』を例にとると
15ものヒントとなる会話が存在する。
わざとストレートな情報を与えず
パズルのピ―スのような断片的な情報を与えて、
それを組み合わせて
物語が進むようにできている
なぜか?
それがお客のコントロールしたがる
自分による冒険だから。
つまり探偵や刑事の『聞き込み』を表している。
そして足で稼いだ情報で解決させて
苦労が報われる喜びを仕組んでいる。
ちなみに隠れた場所にいる人ほど
貴重な情報がもらえる。
これは何か?
探して見つける喜びである。
自由には迷いが付きもの。
物事を
判断、選択、決定
する時に人は主体性や
能動性が生まれます。
そうなるとゲームを操作するのが
楽しくなってきます。
それでは、また。(^_^)/
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