彼が完成させた作品は、
わずか10点にすぎません。
99.99%に及ぶ未完成の原因は、
3つのルール破りをしたから。
一つは、テーマの逸脱。
ユダヤのヘロデ王が、
キリストが生まれることで
赤ん坊を皆殺しにして回ったことを
描いているのです。
しかしあまりに壮大なテーマなので
ダ・ヴィンチの能力を超えてしまいました。
それで描けずに未完成。
もう一つは、遠近法です。
これは、ルネサンス期に生まれた技法ですが
まだ確立された技術ではありませんでした。
ダ・ヴィンチは、
設計図のように作りたかったのですが、
できていない新技術のためズレが生じてしまい
未完成となりました。
最後の一つは、アイデアの詰め込みすぎ。
味付けがバラバラになってしまい
何を表現したいか判らなくなりました。
皆さんも凝り性にならないよう
気を付けましょう。
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■加筆・補足
ダヴィンチが未完成にする原因を
逆にしたら?
99.99%完成できるじゃないですか。
その1:分かりやすいシンプルなテーマにせよ
私が考えるに
『光と闇』を表現すばいいと思います。
どんな物語にでも応用できますね。
その2:ベタな展開にせよ
昔話でおなじみのヒーローズ・ジャーニーです。
1.Calling(天命)
主人公が何かしらのきっかけで
生きる意味や目的を受けます。
2.Commitment(旅の始まり)
変化を恐れ、いったんは天命を拒否する主人公ですが、
最終的には新たな一歩を踏み出すことを決意し、
旅の始まりが告げられます。
3.Threshold(境界線)
今までの世界と新しい世界との境界線で
初めての試練に遭遇します。
4.Guardians(メンター)
新世界でメンター(指導者、助言者)や
信頼のおける仲間たちと出会い、
さらなる成長を遂げます。
5.Demon(悪魔)
強力な敵やライバル、もしくは自分自身の心など
パターンはさまざまですが、
どれもDemonの名に恥じない手強さで主人公を追い詰めます。
6.Transformation(変容)
これまでの道のりからの経験、
そして最大の試練を退け、
克服したことから一人前に成長し、英雄となります。
7.Complete the task(課題完了)
目的を達成した主人公は、これまでの旅路を振り返り、
そこで経験した自分の苦悩や葛藤、
それを乗り越えて得たことや信頼できる仲間との出会いを通して
これまでの旅の意味を悟り、一つの結論にいきつきます。
こうしてたどり着いた結論が一番伝えたいメッセージであり、
物語のテーマなのです。
8.Return home(故郷へ帰る)
旅の意味を悟った主人公は、そのたびに終わりを告げるため、
元々いた場所に帰還し、物語の幕引きとなります。
その3:映画なら約20、
30分アニメなら約5つのキーワードの割り振り
濃すぎると何味だか
分からなくなるので配分を間違えないようにしましょう。
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